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失踪日記2 アル中病棟 - 吾妻ひでお

作者、吾妻ひでお本人のアル中病棟への入院から退院までが描かれてる現代の聖書。前作「失踪日記」も退院後に書かれていて時系列も完全にかぶっているので、続編というか一部がクローズアップされたもの。
それだけに、前作と同じネタもやや出てくるがそれは作者も意識していて、前作ではこう書いたけど実際は…みたいな話も出てくる。
内容は凄惨…な筈なのにそうは思えない。その理由のひとつは絵柄。吾妻ひでおのタッチで描かれると不思議とファンタジーな出来事のように読めてしまう。
もうひとつは、自身の事を描いているにもかかわらず、ものすごく客観視された展開。入院の受付で暴れる主人公、酒が飲みたくてたまらず悩む主人公、そういったものがすべて、ひとコマの中に全身描かれた第三者視点でのカメラワーク。とにかくロングで(大ゴマはあるけど)進行し、前述のタッチを合わせて不思議な読書体験が得られた。
しかし酒は怖いなー。最近右手が震えるんだよな・・・
☆4つです

失踪日記2 アル中病棟

失踪日記2 アル中病棟

失踪日記

失踪日記